ジオファイバー工法

砂と糸だけで、
せん断力の強い土構造物をつくる
これが「連続繊維補強土」です。

連続繊維補強土を用いたジオファイバー工法は、モルタル吹付工や吹付法枠工など従来工法と同等の法面保護効果をもちながら、作業の安全性向上や工期短縮、植生導入のしやすさなど、数多くの優位性を有しています。
また、セメントを使わない土構造物が安全・環境に求められる多彩なメリットを提供します。

工法概要

植生工(植生基材吹付工)

ジオファイバー工法には、播種工から植栽工までさまざまな植生工が適用できます。
現場発生土や木材チップを用いたリサイクル緑化工法のほか、森林表土を有効利用した工法など、現場の状況に即した緑化が可能です。

地山補強土工またはプレート付きアンカー工

地山が不安定な場合は、地山補強土工(鉄筋挿入工、グランドアンカー工等)と併用します。

連続繊維補強土工 (法面保護タイプ)

法面保護タイプの連続繊維補強土は、厚さ20cm以上を標準とします。
モルタル・コンクリート吹付や法枠工の代わりとして、法面の表層保護、風化侵食防止のほか、緑化基礎工としての効果が期待できます。

連続繊維補強土の工学的特性

  • 高い粘着力
  • 降伏ひずみの増大
  • 侵食に対する抵抗性
  • 透水性
  • 植物の生育性

連続繊維補強土工(法面保護タイプ)

法面保護タイプの連続繊維補強土は、厚さ20cm以上を標準とします。
モルタル・コンクリート吹付や法枠工の代わりとして、法面の表層保護、風化侵食防止のほか、緑化基礎工としての効果が期待できます。

ジオファイバー工法の信頼性と実績

NETIS 登録番号 KT-980183-V

財団法人土木研究センターで、土木系材料技術審査証明を取得しています。
また、社団法人日本建設機械化協会では、連続繊維補強土の機械化施工技術審査証明を取得しています。

海外も含め20年以上の豊富な施工実績がCDにまとめられています。

施工実績が多く、今後も広く活用されることが期待される民間開発建設技術として、財団法人土木研究センターより設計・施工マニュアルが発行されています。

1.CO2排出削減効果

セメントの製造過程では、多大な二酸化炭素(CO2) を排出します。
セメントを使わない連続繊維補強土では、法枠工法に比ベ資材の製造過程で排出されるCO2量が1/3以下に激減し、地球温暖化防止に寄与します。同時に樹林で覆われた法面はCO2の吸収固定を図ることができます。

2.優れた変形抵抗性

能登半島沖地震は震度6強を記録したものの、ジオファイバー工法で施工した法面の変形・崩落などは確認されませんでした。
セメントで固化していないため、クラックの発生もありません。
変形抵抗性(粘り強さ)が地震に対して効果を発揮します。

3.優れた緑化・樹林化

セメントを混合した土壌で生育した植物は、セメント未使用の場合に比べて葉・丈が小さくなるほか、黄色みを帯びることがあります。厚い生育基盤が造成可能な連続繊維補強土を用いることで法面の保護と樹林の形成を実現します。

4.耐凍結・耐凍上性

寒冷地では、凍結・凍上による崩壊被害があります。連続繊維補強土で覆った法面は、地山の凍上抑制を図ることができます。

5.多様な築造形状に対応

連続繊維補強土は吹付施工であるため、多様な崩壊形態に対応することができます。
部分的に崩壊した箇所についても埋め戻すように築造できるため、周辺環境と調和した緑の法面が完成します。

6.エコ資源の活用

ジオファイバー工法では、循環型資源の活用に向けた“エコ資源”を積極的に活用しています。
例えば、裏面排水材の芯材、金網固定用のジオピンは、リサイクルペレットを用いて製造されています。

施工システム

専用の施工システムで、高い品質を実現します。

連続繊維補強土の築造は、連続繊維と砂質土を別々の専用装置から供給し、法尻から法肩に向かって均質に混合しながら順次施工します。
連続繊維は、供給装置(スレッドフィーダ)に格納された糸巻きから引き出され、高圧水によって噴射ノズル (エジェクタノズル) から直線状に噴射されます。
連続繊維の使用量は、繊維計量器に常時表示され、管理されます。
砂質土は、貯留ホッパからベルトコンベアで計量器に搬送され、バッチごとの重量を計量後、吹付機によって圧送吹付されます。
連続繊維と砂質土の使用量は、標準配合を満たすように定期的に管理されます。

連続繊維補強土の標準配合(1m2当たり)

材料 仕様 使用量
砂質土 洗い砂 1m2
連続繊維 ポリエステルフィラメント 3.3kg
保水・保肥材 有機質ブロック体 1~2個/m2

連続繊維補強土に使用する繊維は、ポリエステルフィラメント(連続繊維)を使用しています。

1.プレート付きアンカー

地山と連続繊維補強土との一体化を目的にプレート付きアンカーを設置します。

2.砂質土

圧縮空気のエネルギーにて砂質土が法面に吐出されます。

3.連続繊維補強土の築造状況

左:空気圧送方式による砂質土の吹付
右:高圧水による繊維の噴射

4.連続繊維補強土

連続繊維補強土は、繊維と砂質土との混合土で、擬似粘着力を有し、自立安定します。

5.ポリエステルフィラメント(連続繊維)

連続したポリアステル繊維をジェット水とともに4本のノズルから噴射します。

6.エジェクタ

4本のノズルが遥動することによって繊維を供給します(遥動角度は28度)

7.有機質ブロック体(保水・保肥材)

緑化植物の健全な生育を図るため連続繊維補強土の保水性、保肥性を高めます。

8.スレッドフィーダ

ボビンを格納し、繊維の重量を測定します。

9.繊維計量器

繊維の軽量、混合量管理を行います。

性能試験

連続繊維補強土の一面せん断試験

法面工低減係数確認試験

根系伸長確認試験

耐流速性試験

波浪抵抗性試験

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