BUSINESS事業紹介
GTフレーム工法
新しい時代。
『人と環境にやさしい』吹付のり枠工
近年、温室効果ガス増加による地球温暖化や自然環境への影響などが社会的な問題となっており、人と環境にやさしい社会の実現に向けた取組みが進められています。
GTフレーム工法は、新発想の“柔構造”のり枠によって、
ねばり強くのり面・斜面を守るとともに、全面緑化による景観保全やCO2排出量および現場廃棄物の発生量を大幅に削減するなど、さまざまな面から環境負荷の低減に貢献します。
さらに、施工が容易で、工期が大幅に短縮でき、かつ経済性に優れたのり面表層保護工です。
全面緑化できる 地山補強土工
全面緑化が可能なGTフレーム工法®と、地山補強土工(ロックボルト工)に対応するGTフレーム専用の「GTF受圧板」を組み合わせて補強する新しいのり面保護工です。
NETIS登録番号 CB-150011-A
GTフレーム工法+地山補強土併用によるのり面保護工
補強土植生のり枠工協会
特長
- 特長1補強性能
- GTF受圧板は、GTフレームのり枠の交点部に配置され、のり枠内で一体的に固定する構造となるため、のり面の表層保護とともに、GTF受圧板による地山補強土工により、小~中規模の崩壊対策として有効に機能します。
- 特長2美観・景観性の向上
- GTF受圧板は、高強度で広い開口部をもつため、植物の生育に支障とならず、全面緑化が可能となり、美観・景観性が向上します。
- 特長3施工性の向上、低コスト
- 使用部材は、軽量・コンパクトで取り扱いしやすく、施工性に優れるとともに、低コストとなります。
適用範囲
項目 | 適用範囲 |
---|---|
目的 |
|
のり面勾配 | 1:0.5~1:2.0程度 (安定したのり面勾配とする) |
対象土質 | 砂質土、粘性土、礫混じり土、軟岩 |
注)本工法は、緑化工との併用を前提としているため、植物の生育が可能な条件を満足する箇所に適用してください。
小規模な表層すべりの抑制工として用いる場合は、設計計算により安全性の照査をおこなってください。
※特に適用の効果が高い現場
- 全面緑化による景観保全を重視する現場
- 急傾斜地等の狭所で材料運搬などの作業が制限される現場
- 早急なのり面・斜面対策が必要とされ、工期短縮が要求される現場
モルタルや鉄筋を使用しない新しいのり枠構成
GTフレーム工法は、鉄筋やモルタル (コンクリート)を使用した従来ののり枠工とは違い、のり枠材に補強盛土工法などで用いられるジオシンセティックス(ジオグリッド、短繊維)を用いた新しい吹付のり枠工法です。
連続するジオグリッド(GTフォーム)を半円弧状に加工してのり面・斜面上に設置し、その交点などにL型アンカー(GTアンカー)を打設した後、短繊維(GTファイバー)を混合した改良土(短繊維混合補強砂)を吹付・充填することで、ねばり強く、枠自体にも植物の生育が可能なのり枠(補強土植生のり枠)を造成します。その後、全面に植生基材吹付工を施し、緑化をおこないます。
GTフォーム
GTフォームは、高密度ポリエチレンを材料とするジオグリッドで、耐久性(耐酸性・耐アルカリ性・耐候性・耐薬品性等)に優れた材料です。
施工中は、改良土吹付の型枠部材として、完成後は、表層すべりに対する安定保持材として機能します。
非常に軽量・フレキシブルであるため、材料運搬やのり面上での作業が安全かつスムーズに施工できます。
GTファイバー
GTファイバーは、ポリビニルアルコールを材料とする2種類の短繊維で、耐アルカリ性・耐薬品性・耐候性に優れるとともに、セメントマトリックスとの高付着性を有しています。
改良土に混合することで、のり枠の補強材(強度アップ、耐侵食性・耐久性向上) として機能します。
GTアンカー
GTアンカーは、異形棒鋼を材料とする2種類のL型アンカーで、めっき防錆処理により、長期間の品質を維持します。
施工中は、型枠部材のズレ止めアンカーとして、完成後はのり枠をのり面・斜面に固定するアンカーとして機能します。
GTアンカーⅠはのり枠の交点部、GTアンカーⅡは縦・横枠のスパン中央部の位置に打設します。
国土交通省NETIS「平成30年度 推奨技術」に選定(CB-070019-VG)
国土交通省では、公共工事等における幅広い活用や飛躍的な改善効果が期待できる画期的な技術を、有識者会議(新技術活用システム検討会議)において、「推奨技術」等として選定し、当該新技術の普及啓発や活用促進等を行っています。
「推奨技術」とは、公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術であり、NETISの中では最高ランクの高い評価を受けたことになります。
GTフレーム工法
「平成30年度 推奨技術(新技術活用システム検討会議(国土交通省))」
性能
新しい『柔構造のり枠』により、さまざまな性能を発揮します。
力学的特性|ひみつは2種類の短繊維とジオグリッドの組み合わせ
ジオグリッド(GTフォーム)と短繊維(GTファイバー)を混合した改良土(短繊維混合補強砂)との組み合わせは、柔なのり枠の構造部材として、ねばり強くのり面・斜面を守ります。
短繊維混合補強砂の力学的特性
太さ・長さの異なる2種類の短繊維を選定・コンポジットし、改良土に混合することで、ねばり強さやせん断強さなどの強度特性が向上します。
豪雨等に対する耐侵食性についても高い効果が確認されています。
各種強度試験、降雨試験等をおこない、強度特性や耐侵食性が向上することを確認しています。
ジオグリッドの力学的特性
短繊維を混合した改良土とジオグリッドを組み合わせた複合材料とすることで、のり枠形状を拘束する効果が働き、強度特性を向上させ、ねばり強い柔なのり枠の構造部材となります。
施工性の向上|軽量・シンプル・コンパクトで抜群の施工性
使用材料が軽量・コンパクトであるので、狭所での運搬や急傾斜地での作業が容易となり、施工性が向上し、安全作業にも貢献します。
大幅な工期短縮も可能です。施工機械は、通常使用している吹付プラントで施工が可能です。
扱いやすい材料です
長尺・重量物となる鉄筋や金網型枠等を使用しないので、運搬が容易、斜面上での取扱いが容易で、施工性は抜群です。
施工スピードもアップ
シンプルなのり枠構成により、施工能率が格段にアップ。
大幅な工期短縮が可能です。
高所・長距離も吹付可能
吹付材は、圧送性や吐出性が良好な改良土を使用するため、高所・長距離でも施工が可能です。
高所・長距離のモルタル吹付で必要だった専用機械や仮設対策などが省略でき、施工性の向上、コスト縮減にも貢献します。
高所での施工事例(直高約120m)
コスト縮減|ムダを省くことでコスト縮減を実現
軽量でシンプルなのり枠構成は、施工能率を格段にアップするとともに、廃棄物処理に必要な作業や処理費を省略でき、施工コストを削減することができます。
優れた耐久性|耐久性に優れた材料で性能を確保
使用する材料は、耐候性・耐薬品性などの耐久性に優れるものであるため、従来のモルタル吹付のり枠などで懸念されていたひび割れの発生による鉄筋の腐食などの問題がなく、一般的な使用環境下では長期にわたって耐久性に優れた工法として機能します。
建設技術審査証明の取得
本工法は、一般財団法人 土木研究センターの建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)において、建設技術審査証明を取得しました。
- 技術名称:GTフレーム工法®(ジオグリッドおよび短繊維混合補強砂を用いたのり面表層保護工)
- 証明番号:建技審証 第0902号
- 審査機関:(一財)土木研究センター
- 証明年月日:2009年4月14日(2019年4月14日 更新)
- 審査証明依頼者:イビデングリーンテック(株)
建設技術審査証明の概要
開発の趣旨
のり面・斜面の侵食および小規模な表層すべりに抵抗できる補強性能と、全面緑化および廃棄物発生量の削減が可能な環境性能を有するとともに、耐久性、施工性、経済性に優れたのり面表層保護工を開発することを趣旨とする。
審査証明の結果
「GTフレーム工法®」は、以下の性能を有することが確認された。
(1) 改良土(短繊維混合補強砂)の強度・物理性能
強度、耐侵食性および耐久性試験により、改良土は、「GTフレーム工法®」ののり枠部分に用いる材料として必要な強度特性、耐侵食性および耐久性を有する。
(2) ジオグリッドの強度・物理性能
強度および耐久性試験により、ジオグリッドは、「GTフレーム工法®」ののり枠の構造部材として必要な強度特性および耐久性を有する。
(3) のり枠(ジオグリッド+改良土)の強度性能
水平方向および鉛直方向の引張抵抗力試験により、のり枠は、小規模な表層すべりに対し、柔な構造部材として抵抗することができる強度特性と付着力を有する。
(4) 施工性
現地調査により、従来工法(モルタル吹付法枠工、簡易法枠工)と比べて、施工性が良く、工期が短縮できる。
(5) 環境負荷の低減
現地調査により、従来工法と比べて、現場における廃棄物の発生量が少なく、のり面緑化面積を増大できる。
審査証明の範囲
(1) のり面の侵食防止を目的として適用する。ただし、設計計算により安全性の照査を行った場合は、すべり深さ0.5~1.5m程度、すべり長さ4.0m程度までの小規模な表層すべりの抑制工として用いることができる。
(2) のり面勾配は、のり面上に吹付けた改良土が滑落・移動しない程度ののり面勾配(概ね1:0.5勾配以下)を対象とする。
(一財)土木研究センターから「GTフレーム工法®」設計・施工マニュアル(改訂版)が発行
本マニュアルには、工法を適用する際の、計画、調査、設計、施工、維持管理について、その考え方が示されています。
また、各種実験・調査等の報告や数多くの施工事例が掲載されています。
当マニュアルを活用することで、本工法の品質・信頼性が高まり、今後の普及に寄与するものと期待されます。
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