植物誘導吹付工

植物誘導吹付工は、
資源循環型社会の構築、生物多様性保全、
地球温暖化防止のための緑化の推進、
防災に寄与する緑化を基本理念とした工法です。

「建設発生木材などのリサイクル材や森林表土を用いて、法面に植生基盤を造成し植物の自然進入を促す」という概念に基づき開発したのが「植物誘導吹付工」です。
建設発生木材のリサイクルによる“資源循環型社会の構築”、そして、土壌微生物や自生種の種子を含む地域の財産を利用し“生物多様性保全”に配慮した緑化を目指します。生物多様性保全に配慮した緑化を目指すことは、土壌や樹木による二酸化炭素の吸収・固定(地球温暖化防止)、そして、深根性や浅根性のさまざまな種類の植物が生育することで、土壌表層の安定化が図られ“防災に寄与”すると考えています。
なお、資源有効利用促進法における「グリーン購入法」(環境省、国土交通省、経済産業省)の公共工事の分野において、「伐採材および建設発生土を用いた法面緑化工法」として、平成14年度の特定調達品目に認定されています。

植物誘導吹付工の特徴

植物誘導吹付工は、伐採木・抜根材の生チップを生育基盤材として有効利用を図る資源循環型緑化工法です。植物誘導吹付工の特徴は、①伐採木・抜根材の有効利用が可能である、②耐侵食性が高く長期間裸地状態でも侵食しない、③専用の微生物活性酵素“はえるちゃん”を配合することで、未分解チップを原因とする窒素飢餓、腐敗、有害物質の発生などの植物生育障害が回避される、④チップの三次元的絡み合いによるスポンジ効果などが挙げられます。また、耐侵食性が高く、生育基盤表面に凹凸が多く飛来種子が定着しやすいなどの特徴から、⑤自然侵入促進工(無播種)による緑化に適しています。

特長1伐採木・抜根材の有効利用

植物誘導吹付工は、伐採木・抜根材の生チップを生育基盤材として有効利用を図る資源循環型緑化工法です。伐採木・抜根材の有効利用を図ることで、廃棄物処理・輸送費等のコスト縮減が可能です。また、堆肥化しないで、“生チップ”を利用することで、堆肥化のコストや堆肥化期間が不要であることも大きな特徴です。

特長2耐侵食性が高く長期間裸地状態でも侵食しない

伐採木・抜根材の生チップの繊維の絡み合い(ネット耐侵食性)により生育基盤の耐久性が優れています。また、降雨侵食実験より、植生基材吹付工よりも耐侵食性が高いことを確認しています。

特長3微生物活性酵素“はえるちゃん”による生育促進

土壌養分吸着、保水性に優れた微生物活性酵素添加剤“はえるちゃん”を配合することで、腐敗土壌菌の発生抑制と有効微生物の活性化を促進します。

特長4チップの三次元的絡みとスポンジ効果

伐採木破砕材の繊維の絡み合いにより透水性が高く一般的な植生基材吹付工で見られる撥水性の現象は見られず、降雨水がスムーズに浸透します。

特長5耐侵食性を生かし、自然侵入促進工に最適

耐侵食性が高く、生育基盤表面に凹凸が多く飛来種子が定着しやすいなど、自然侵入促進工に適した特徴を有しています。

汎用性の高い機械システムによる施工

□適用範囲
平均圧送距離 120m
のり面勾配 1:0.5より緩い
土質 盛土・礫質土~硬岩

□標準積算
直高 45m以下(45m以上80m以下の場合は別途補正)
面積 1,000m2以上 (1,000m2未満の場合は別途補正)

標準配合(1m3当り)

名称 規格 数量 摘要
破砕材 1.0~1.5in(一次、二次破砕) 1,500ℓ 1.5inスクリーン通過物を基本とします。
肥料 高度化成肥料 N:P:K=15:15:15 4.0kg 緑化目標による
緩効性肥料 N:P:K=16:5:10 2.0kg 緑化目標による
接合剤 侵食防止剤、高分子系樹脂 4.0kg
添加剤 微生物活性酵素「はえるちゃん」 50.0kg
種子 指定配合等 1.0式

生育基盤厚さ選定の目安(草本類播種工等)

植物誘導吹付工の施工フロー

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